不思議の国のお祭り事情 企画概要

はじめに

 
 企画『不思議の国のお祭り事情』は、下記の『明るく楽しくも、どこか仄暗い祭り』と言うテーマの下、世界観・主要人物の設定と、規定に沿ったタイトルを使用した上で、おおまかな展開に沿った2500文字以上の短編を、それぞれ書いていく企画です。
 『国民の二割に達するほどトリッパーが多い異世界で、国が一国沈むと言う望ましからぬ未来を回避するため、何も知らない新入りトリッパーの女の子を、国家規模の演技で逆ハーレム状態に祭り上げる。それを様々な人間が見守ったり、妨害したり、時には参加したりする』。この設定が企画の根底にありますので、企画自体が少々色物じみてはいるかと思います。
 元々は篠崎の息抜きと文章力を鍛えるために考案した短編連作小説を、皆様にも楽しんでいただければと企画形式にしました。
 ただ、最初から最後まで書ききることもまた文章鍛錬の一つだと考えていますので、ご自身が張った伏線は出来るだけご自身で回収するつもりで、ご自身の作品単独である程度『短編として完結させる』つもりで書いてください。
  この企画はそもそも、楽しみながら文章鍛錬をする事を目的としています。最初から最後まで書ききり、完結させる事も文章鍛錬の一つではないでしょうか。
 
その点は、これから投稿する方は予めご留意ください。
 尚、プロローグは篠崎が、エピローグは最も人気のあった作品の筆者が担当します。
 投稿物は、あまりにも作品全体の目指すテーマから逸脱した物、設定などの矛盾があるものは、話し合って改稿をお願いする可能性も有ります。
 作品数は現時点では未定です。参加者の人数や希望により上下するかと思われます。
 提出は篠崎まで。掲載先は当企画サイト及び、『小説家になろう』(企画名を作者名とし、篠崎のアカウントで代理投稿)への投稿を予定しています。あらかじめご留意ください。
 また、こちらに投稿した作品を、別の場所で公開する事も自由です。その際は『此方の企画にも投稿した』と記していただければ嬉しいです。
 情報の告知は篠崎個人のブログもしくはサイトで行う予定です。
 尚、用語の対応表や設定などの参考資料は下記に記しておきますので、ご確認ください。
 何かご不明な点がありましたら、篠崎までご連絡ください。




企画全体のテーマについて

 
 この企画は、『明るく楽しくも、どこか仄暗い祭り』を作品全体のイメージテーマとしています。
 明るく楽しいお祭りでも、同時に様々な場所で様々な出来事が起こっており、笑っている人も泣いている人もいるかもしれません。
 そんな人々を、投稿者が集まって群像劇形式で、一つの作品に仕上げられればと思っています。
 これはあくまで企画全体のテーマですから、明るい話を書きたい方は明るい話を、仄暗い話を書きたい人は仄暗い話を自由に書いてくださって結構です。
 ですが、このテーマが企画の根底にあるという事は、憶えておいてくださると嬉しいです。





投稿する上での注意と規程

投稿規定


1.下記の設定に記されている事柄は、基本的には改変させてはいけません。出来るだけ設定を生かす形で、小説を書いてくださると嬉しいです。
  (どうしても改変させたい、と言う場合はご相談ください)

2.他の方の小説や設定との間に矛盾を発生させる、作品全体の雰囲気を故意に大きく壊す事は控えてください。
  (例:突然年齢指定の入る展開を入れる、文章内に大量の顔文字を使う、など。不安な場合は篠崎にご一報を)

3.以上に抵触しない限りは、基本的にどのような内容の作品を作ってもかまいません。BLもGLもご自由に。エロやグロも別にいいですが、作品は主に『明るくどこか仄暗い祭り』を描く事を目指すものですので、難易度は低くはないかと思われます。ただし、R18指定の作品は受け付けられません。R15なら一応セーフです。

4.投稿作品は、必ず2500文字以上でお願いします。2500文字以上であれば、他の規定に抵触しない限りはどんな作品も受け付けます。

5.投稿作品のタイトルは、『15文字以上の長文』かつ、『タイトルの中に『、』を必ず一つだけ入れる』事とします。これは作品全体にある種の統一感を出すためです。それってどんなタイトル?と言う方は、下記のサンプルをご覧下さい。
以上に抵触しない限りは、基本的に何をしていただいてもかまいません。

6.投稿は、基本的にマイペースで行ってくださって結構です。が、企画の期間中以外に投稿された作品は、基本的に『企画への投稿作品』として受け付けられません。企画の開始は2010年3月26日、終了は同年8月1日を予定しております。また、参加者の方は参加を申請してから1ヶ月以内に、必ず一作品以上を提出してください。この点について得にペナルティはありませんが、提出しないまま企画終了、という事が無いように記させていただきます。尚、一人の投稿数はこの一作品のみでも全くかまいません。逆に、期間中であれば何作投稿してくださっても結構です。

 キャラクターや世界観の詳細は、矛盾が出ない限りは早い者勝ちです。
 つまり、先に小説に書いて提出してしまった人の設定(キャラクターの容姿や口調、王国内の地名や風景を含む)が、企画の上での正式な設定になるのです。
 例としては、Aさんが1日に『王女の名前はアリアである』と書いた小説を提出したとします。
 すると、この時点で『王女の名前はアリアである』と言う設定が正式な設定、つまり変えてはならない設定となるのです。
 ですから、この後3日にBさんが『王女の名前はリアナである』としても、それは正式な設定に矛盾した事となります。
 しかし、『王女の名前はアリア・リアナである』『王女の名前はアリアナであり、アリアもリアナも愛称である』とするなどの抜け道は存在しますので、どうしてもこう言う設定が良い! と言う場合は、このように矛盾を出さずに書いてみてください。
 ただし、基本的には既存の設定を覆すような設定はあまり出さないほうが無難かと思われますし、出す場合には事前に篠崎にご一報くださるようお願いいたします。
 また、設定は有るけれど小説は書くのが遅い、などの場合には、企画サイトの掲示板にてその設定を宣言する事で、正式な設定とする事ができます。
 尚、小説に記載した場合、掲示板にて宣言した場合のいずれにもかかわらず、描写の修正と掲示板での報告、もしくは宣言を取り消す旨を掲示板で報告すれば、設定の取り下げは可能です。
 その場合は、取り消された設定は最初から無いものとされます。尚、他の方が取り消したい設定を使っている場合にも、篠崎までご一報ください。
 
投稿の方法


1.まず、掲示板で企画への参加表明をします。この時、必要事項を間違えずに書き込んでください。
2.次に、規定を守って2500文字以上の小説を執筆してください。また、この時点で投稿掲示板にて設定を宣言をしてもかまいません。
3.作品が完成しましたら、トップのメールフォームにて小説を投稿します。この時、本文には小説に書かれた展開が発生している時期(○○と言う短編の直後、○○と言う短編の後から××と言う短編の中間、夏の初め、11月中旬、などと表記)、及び小説の概要(王子とその婚約者の話、など)と小説のタイトルを書き込んでください。
 件名には『【小説投稿】作者名 ○作品目』と書き込んでください。○の部分には小説は何作目の企画への投稿作品かを表す数字(一作目なら1、三作目なら3)をお願いします。
 投稿作品はTXT形式で、ファイルを添付して投稿してください。
 尚、この時点でタイトルが決められなかった場合は、規定に従ってタイトルを選んでつけるか、タイトルの欄に無題とのみ書き込んで、その横に括弧でキーワードを三つ書き込んでください。篠崎がタイトルの案を掲示板に【連絡】の記事を立てます。以後、タイトルが決定するまではそちらでやり取りを行います。
4.矛盾点が無いかを確認の上、篠崎が小説をUPします。矛盾点など問題が発覚しましたら掲示板の【連絡】にレスをつけますので、時間がたっても小説がUPされない場合は、まずそちらをご確認ください。
5.小説が掲載された後、修正したい点などが出てきましたら、その旨を明記して修正ファイルを添付したメールを新しく送ってください。その際、修正したい小説のタイトルの明記をお願いします。見つけ次第修正します

 掲示板への書き込みについては、下記の説明も読んでくださると嬉しいです。
  
  
 文章を書く上では、基本的に以下の事を守ってください。尚、これは強制では有りません。


1.三点リーダ等は『……』『――』と二つ並べて使ってください。

2.(^^)や(`・ω・´)等の顔文字、及び『ww』『(笑)』等の記号は、作品中では出来るだけ使わないでください。使ってもかまわないが、できるだけ他の表現方法を模索してください。

3.ルビは漢字(かんじ)のように、括弧でくくってふってください。

4.例:「何で?どこがいけないの?」
    「全てがだよ!」
    と言うように、文字を大きくしたり太字、斜体にする事は出来ません。どうしても使いたいと言う場合は、篠崎にご相談ください。



 基本的には以上です。気をつけて執筆してください。


 上記の『篠崎の小説から設定を流用』について補足しておきます。
 まず、この企画の小説はある意味、篠崎の小説の『土台だけ流用したパラレル』的な扱いになるかと思われます。
 なので、投稿する小説は篠崎の企画外の小説とは矛盾してもかまいません。また、以下の設定を改変しない流用であれば、連絡さえいただければ企画外で自由に使っていただいてもかまいません。
 つまり、

設定は基礎を改変さえしなければ自由に使っていいよ、でも同じ設定で別の人も小説を書いてることを憶えておいてね。

と、言う事です。



世界観設定


舞台となる世界の概要

 前提として、この世界では『異世界トリップ』と言う言葉は使われません。
 『来訪者』、つまりはトリップしてきた人間達の内の一部には広まってはいますが、公文書に記されたり、一般的に使われているのは『渡来』です。
 これは来訪者達の間で、一般的ではないからです。来訪者の中には、未就学児や主婦、老人なども居ます。若くネット事情に詳しい人間だけではないのです。
 ただし、小説などの創作物や、来訪者の一部の人々の間では、稀にそう言った用語が使用されています。
 基本的にそう言った単語は、現実のネット用語等と同じような扱いです。

 この世界では渡来や来訪者の存在はごく一般的に認知されています。
 来訪者の数も多いですし、彼らは有能であったり優れた知識を持っていることが多いので、国家の上層部などでも非常に重宝されています。

 この世界には魔法も存在します。
 一般的に、魔法は『力在る形』(主に魔法陣)『力在る言葉』(主に呪文)『力を管理し行使し調整する媒体』(主に杖等)の三種が揃って、初めて発動します。
 『力在る言葉』は術者の術式の解釈や、術式の構成等によってかなり変化します。(例:同じ風を吹かせる魔法でも、一言で呪文になる場合も有れば、長々とした呪文を詠唱する場合もあります)
 理性を持たず、本能におもくままに無差別に人を食らってゆく魔物が多く居ますので、基本的には戦闘や防衛に特化した魔法の研究が盛んです。
 が、一方で来訪者からの発想の提供により、生活を向上させる魔法の研究もそれに次いで活発です。

 前述の魔物ですが、街や村には防壁魔法が張ってあるため、大抵は街の外、野外に出没します。
 理性を持たないどころか意思を持たないらしい魔物も多く、人間を捕食対象として捉えています。
 基本的には獣の形をしており、その牙や爪で人を襲いますが、本当に稀に、魔法に似た効果を発動できる魔物も居るようです。
 単体で行動する魔物も居れば、群れを成す魔物も居ます。種類は本当に様々です。
 どのようにして生まれるのか、もしくはどこから来ているのか。それは定かではありません。

 この世界に、いわゆる神と言うものは存在しません。
 神に代わって、『世界の意思』と呼ばれる存在が信奉されています。『世界の意思』は一般にはラグナーシャと呼ばれており、世界の意思も一人の個人であるとの認識がされています。つまり、神とあまり変わりません。ただし、神はどう言う存在であるかと言うのを、同じ価値観で誰もが皆理解しているのです。
 経典や聖書の類もありません。ただ、『世は、ラグナーシャの生誕と共に始まった。ラグナーシャはただ存在し、ただ静観し、この世を慈しむのみである』との口伝の文句があるだけです。
 人々はこの世の成り立ちやラグナーシャが何であるかを、それ以上知ろうとはしません。誰だって、必要以上に詮索されるのは嫌だと知っているからです。彼らはそれをラグナーシャにも当てはめています。
 有益な情報や技術をもたらす来訪者を、機嫌を損ねた世界が受け入れなくなったりするのは困るから、と言うのが詮索しない主な理由です。
 また、その存在を疑う者もあまり存在しません。渡来と言う、ラグナーシャの力の具現を日々目の当たりにしているからです。

 この世界の科学技術は、殆ど発展していません。何故なら科学によって利便性の実現を望まずとも、全て魔法で解決できる事だからです。
 魔法を使った方が、環境を汚染しないなどの利点もありますし。
 よってSF的は、作品全体の雰囲気を纏めるためにも要素は控えた方が無難かと思われます。

 基本的には、時代はファンタジー的な要素の多く含まれた中世ヨーロッパに似た時代を想定しています。
 しかし基本的にこの企画の小説は現実世界とは異世界を設定し、そこで物語を展開させていく事を想定していますから、独特の文化や価値観が確立しています。
 が、全てを設定していってしまうのは大変ですし、書き手もそれに縛られてしまいますので、ある程度は書き手の方にお任せします。
 しかし、既に発表されている作品との矛盾は発生させないようお願いします。
 簡単に言ってしまうと、細かな設定は考えた者勝ち、早い者勝ちです。
 この設定だけは使いたい! と言うものがあり、それに問題がなければ、小説が完成していなくても、掲示板にて宣言していただければこちらに展示(つまり、最低限の設定として固定)いたします。



来訪者(異世界トリッパー)たちについての概要

 この世界の来訪者は、必ず以下のいずれかの方法で異世渡りをしてきています。

 一つ、『通常渡来』。
 これは元居た世界等の神や術師、世界等の意思によって、強制、非強制を問わずに、体・精神を完全に維持したまま渡来をしてきた場合。

 二つ、『偶発渡来』。
 これは何者かが故意に渡来させたわけではなく、かつ体・精神を完全に維持したまま異世渡りをしてきた場合。

 三つ、『転生渡来』。
 これは渡来が故意は否かを問わず、単に来訪者が死と精神を維持したまま、この世界に住む両親の間に赤子として出生してきた場合。尚、これに関しては生後10年以内に過去世の記憶が蘇った場合も該当します。
 尚、『この世界に住んでいる母親から出生した』のでなければ、精神のみを維持した渡来であっても、以下の特殊渡来に該当します。

 四つ、『特殊渡来』。
 これは渡来が故意か否かを問わず、上記のいずれにも該当しない渡来をしてきた来訪者を言う。主に、渡来によって身体年齢が退行したり、性別が反転してしまった、体を維持したまま渡来してこなかったが、この世界で出生したわけではない来訪者を言います。

 四つの割合は、いずれの時代の平均も上から4:3:2:1です。
 ただし、時折この数値は変動します。変動の理由はわかってはいませんが、世界にとっての有益さが増すように、世界の意思がある程度変動させている(通常渡来型の来訪者を拒否したり、転生渡来型の来訪者を多く受け入れたりする等)のではないかと言うのが通説です。
 尚、憑依トリップの類は存在しません。


 来訪者はほぼ全員が『リーゼンフォードの一族』に属しており、それ以外の来訪者は公的に身分を保証されません。
 また、転生渡来型の来訪者が生まれるのもこのリーゼンフォード一族の血縁のみです。
 新たに遣ってきた来訪者が発見されれば、必ずリーゼンフォード一族に連絡が行き、大抵は一族への参入する事になります。
 参入しない来訪者も居ますが、多くが問題型来訪者である事が多いです。

 来訪者の中には『問題型来訪者』と呼ばれる者が居ます。
 彼らは主に世界の意思によってその行き過ぎた能力や存在が不利益と判断された者達で、いわゆる『最強』『チート』『ハーレム・逆ハーレム体質』等の、空想上典型的来訪者にありがちな性質の持ち主が多いです。
 問題行動を起こすものが多く、大半が世界から追放されているため人数は少ないです。
 が、この世界では能力が行使できないようにされた問題型来訪者も、数人ではありますがリーゼンフォード一族として暮らしています。

 来訪者は元居た世界から突然追放された、神の気まぐれや遊びによって追い出された、と言った理不尽な経験をしているものが大半です。 それがあってか、神嫌いや平和主義者が多い傾向が見られます。

 来訪者の大半は、渡来によって特異な能力を得ていることが多いです。
 能力の種類は強弱は様々ではありますが、世界の不利益にならない程度の能力である事が殆どです。
 これの能力は、最近では『渡来特典能力』などと言われるようになりました。

 リーゼンフォード一族は、基本的に平等主義です。
 幾人か、長老と呼ばれるまとめ役の人々は居り、彼らは他の一族よりも多くの信頼を得、少しばかりの特権を与えられていますが。
 また、成人し、世界に適応しているリーゼンフォード一族の人間には、それぞれに適切な一族内の仕事が割り振られており、一族の人間全員が協力して一族を動かしていると言っても過言ではありません。
 彼らが基本的に仕事を拒まないのは、自分達がより快適に生きていくためには必要な事だと理解しているからです。


舞台となるディリトリシア王国の概要

 小説の舞台となるのは、ディリトリシア王国と言う小国です。
 基本的にですが、物語は王国の国内のみで展開します。
 何故なら全面的に祭典に協力しているのが、このディリトリシア王国だけなのです。
 加えて、祭典を後援している他国との条約にも、祭典はディリトシリア王国の領土のみで行うと明記されています。
 祭典を他国の地から傍観する、祭典が終わった後にリナが他国へ赴く、等の視点や展開以外には、王国以外を舞台にする事はできません。
 どうしても王国以外の場所に行く展開をやりたいんだ、と言う場合は、篠崎に相談をお願いします。

 ディリトリシアは王政国家です。
 現在は十二代目のディリトリシア王が統治しており、王妃、皇太子である第一王子、第二王子、第一王女、第三王子が現在、王族として数えられています。
 臣籍に降嫁した王姉とその子供は、王族筋では有りますが臣下として数えられています。
 この国の性質としては、まず無類の祭り好き、と言うものが真っ先に上げられます。
 国王から国民まで、皆とにかく馬鹿騒ぎが大好きなのです。
 民族系統を同じくする近隣諸国の人々も、ディリトリシア国民ほどではありませんが祭り好きですので、これは民族気質と言っても過言ではないでしょう。
 国情は良好で、ここ百年ほどは大きな争いや災害もなく、政情及び経済もまた安定しています。
 リーゼンフォード一族の本家もディリトリシアに籍を置いていますので、多くの来訪者がディリトリシア国民と数えられています。
 ディリトリシア国籍の来訪者の総数は、同国民の総数の2割前後らしいです。


 ディリトリシア王国及び、その近隣諸国で使われているのはシュトル通貨です。
 銭貨、銅貨、銀貨、金貨とあり、『100シュトル』などと呼称します。
 銭貨は一枚1シュトル、銅貨は1枚10シュトル、銀貨は1枚100シュトル、金貨は1枚1000シュトルです。
 一般市民の平均月給は3000シュトルほどです。
 1シュトル=10円ほどと換算してください。

 ディリトリシア王国は、東方をティザン山脈に、南東の一部をアドルナ海に、南西から北方にかけてを、王家の親戚筋の国家に囲まれています。
 隣接する国家は南方から、ルテイア公国、ミュルド王国、リゼンシュトーザ王国の三国です。
 アドルナ海を通しての、砂漠の王国アズファーダとの交易も行われています。
 ティザン山脈の向こうはクルエンティド帝国です。
 以上の国家を含め、ディリトリシア王国の設定は詳細には決めていません。
 名称のみは統一してありますので、書き手の方はそれらを自由に使って話を組み立ててください。





祭典についての概要

 未来視たちが一斉に予見した未来では、来訪者と思しき少女が空想上典型的来訪者的な生活を繰り広げていました。
 詳細に説明すると、彼女はアルフレート王子、クラウディオ・リーゼンフォードを始めとする様々な男性をはべらせて、いわゆる逆ハーレムを築きつつ、魔物や佞臣や奸臣のような振る舞いをする官吏たち(しかしその容貌は、長く王国に使えている功労者)を、ばっさばっさと不思議な力で退けていっていました。
 この未来の実現を危惧した各国重鎮、リーゼンフォード一族の長老達が何らかの対策を募ったところ、寄せられたのがこの『祭典計画』です。
 カナデ・リーゼンフォードと言う渡来六年目の女性によって発案されたこの計画は、文字通り『演技によってこの未来を期間限定で実現させる』と言う物でした。
 この計画に、いち早く賛同したのがお祭り大好きなディリトリシアの代表です。
 また、同類が隣人に多大な迷惑をかける事を恐れたリーゼンフォード一族の面々も、ほぼ全会一致でこれに賛同しました。
 彼らの尽力によって近隣諸国の協力も取り付け、一年と言う期限付きで、『空想上典型的来訪者』の存在を実現させると言う、はたから見ればある種の祭りじみているとも言える祭典計画が、こうして開始される事となったのです。

 祭典の細かな規定は、上記に記した『祭典会場はディリトリシア領内のみ』『期限は生贄となる来訪者の渡来より一年以内』『未来視たちの予見した未来を、演技によって現実にする』以外は特に定まっていません。
 未来視たちはどのような未来を予見したのか、どのような配役で演技するのか等の詳細は計画は、書き手の皆様でそれぞれ考えて作品にして下さい。
 しかし、これは設定と同じく矛盾を発生させないよう気をつけてください(Aの小説では生贄を騙す演技上、『死亡』扱いになっている人物が、『死亡』よりも後の時期を描いたBの小説で、祭典期間中にもかかわらず生贄の前で平然と『生存』しているなど。ただし、何らかの矛盾を解消する説明があれば大丈夫)。
 これに関する設定や展開も、やはり早い者勝ちですが、篠崎に申し出てくれれば『これは誰々さんが確保済み』と、こちらのサイトで提示しますし、不安がありましたら相談してくだされば対処します。

 祭典で空想上典型的来訪者として祭り上げられる人物を示す隠語として、『生贄』と言う単語が使われています。
 これは『嫌な未来を真面目に実現させないための生贄』の略称であり、実際に何かに捧げるわけではありません。
 このように、祭典を運行していく上で囁かれる隠語も多々有ります。
 隠語を小説内に出す時は、何を示す隠語か分かるように描写してください。


固定登場人物概要

 NAME:遠藤里奈(リナ・エンドウ)(Rina Endou)

 現代日本から渡来して来た女子高生。都内の共学校に通う高校一年生。
 胸元ほどまでの黒髪に黒い目。
 一人称はあたし。
 空想上典型的来訪者に仕立て上げられる、祭典の生贄に選ばれた。
 通常渡来型来訪者。

 NAME:クラウディオ・リーゼンフォード(Claudio Liesenford)

 現代日本から転生渡来してきた、リーゼンフォード一族の当代当主。
 極度の童顔と容貌の不老が、どうやら渡来の特典能力だったらしい。
 外見のみ二十代前半の六十代。一部の来訪者の間ではショタじじい様とか呼ばれている。別にそこまで若く見えるわけじゃないのに。
 不老なのは外見だけなので、最近は腰痛や視力の低下に悩まされている。
 祭典計画の最高責任者にして纏め役。

 NAME:アルフレート・ディリトリシア(Alfred Dilitlicia)

 ディリトリシアの第一王子。皇太子。十九歳。
 リゼンシュトーザ王国の公爵令嬢と婚約している。
 一見仲は冷え切っているように見えるが、二人ともただ祭典と趣味に全力を投じているだけ。実態はちょっと悪友っぽいだけの普通の恋人同士。

 NAME:カナデ・リーゼンフォード(Kanade Liesenford)

 今回の祭典の発案者。未来視の彼氏と結婚を前提に付き合っている。
 偶発渡来型来訪者。二十三歳。

 NAME:レティシア=アズファーダ
 
 十七歳。アズファーダの第一王女であり、上に皇太子である兄がいる。好きなのは楽しいこと・面白い
ことで、祭典に興味を持ち、王女という身分を隠してディリトリシアに訪れることを決める。

 NAME:シルヴィ=リーゼンフォード

 二十二歳。アズファーダ王室に仕える未来視であり、もちろんディリトリシアの祭典の件も予見した。
八年前に偶発渡来してきた。

 NAME:エラ=バルシュミーデ

 二十歳。レティシア専属のメイドであり、かなり有能。レティシアからの信頼も厚く、彼女と共にディリト
リシアを訪れることを決める。

 NAME:アラン=バルシュミーデ

 二十四歳。エラの実の兄であり、騎士団の小隊を一つまとめている。将来は騎士団長も夢じゃない、
と言われているほどのエリートだが、本人は案外はっちゃけた性格。レティシアや妹のエラと共にディリトリシアに。




人物登場作品概要

 こちらは、小説が投稿されていくにしたがって増えていく、ある程度の設定の存在する、それなりの量の設定が付けられている登場人物たちを登場作品ごとに分けたものです。矛盾点の確認などに利用してください。
 尚、名前が無い場合は通称や呼び名などを記します。



不思議の国のお祭り事情は、この上も無く残酷でした
クラウディオ・リーゼンフォード(リーゼンフォード当主)
アルフレート・ディリトリシア(ディリトリシア第一王子)

かくして我らは今日、神聖にして侵さざるべきであった神を騙る
セイルディート・リーゼンフォード(神係の衣装担当)
ライナー・リーゼンフォード(神係の長)
シェイラ(神係の補佐官)
ジルクーダ老人(神役)
母性に溢れた赤い瞳の女(神役)
銀髪の少年(神役)


祭典の準備を始める王宮には、三人の勇ましい将軍がいた
アルトゥール・ボーデンシャッツ(ディリトリシアの将軍)
ホラント・ベルク(ディリトリシアの将軍)
レオンハルト・バルシュミーデ(ディリトリシアの将軍)


真っ赤なイチゴは落ちてゆき、砕けて散って染み込んだ
遠藤里奈(『生贄』の少女)

砂漠の王女の好奇心は、止まることを知らぬかのように
レティシア=アズファーダ(アズファーダの王女)
シルヴィ=リーゼンフォード(アズファーダの予見者)
エラ=バルシュミーデ(レティシアのメイド)
アラン=バルシュミーデ(エラの兄)

輝く星たちは、飛ぶように過ぎる時の中でせわしなく走る
テオ(ディリトリシアの兵士)
モニカ(テオの姉)
麻耶(『魔女同好会』代表)
陽助(『忍者研究部』代表)
アルフレート・ディリトリシア(ディリトリシア第一王子)
アルトゥール・ボーデンシャッツ(ディリトリシアの将軍)

歪められようとしている未来を、我は正しき道へと導こう
アリスタシア・ディリトリシア(ディリトリシア第一王女)
アビゲイル・ディリトリシア(ディリトリシアの第三王子)
ベアトリス(黒い女)
黒い男

斯くも幼き双つのシカイに映る偽りの世界は、斯様に儚く輝きます
ディルク(転生型渡来者)
パメラ
トールス(リーゼンフォード姓でない渡来者)
ヤスクノフ(リーゼンフォード姓でない渡来者)

彼女のためだけに動く彼は、穏やかさと激しさを併せ持つ人だった
ルアルド・リーゼンフォード(渡来者。カナデ・リーゼンフォードの彼氏)
カナデ・リーゼンフォード(祭典計画の発案者)
黒い男
アリスタシア・ディリトリシア(ディリトリシア第一王女)
ユン・リーゼンフォード
アルトゥール・ボーデンシャッツ(ディリトリシアの将軍)


波紋の広がることのない、けれど波ある心を持っていたいと彼女は願う
ルアルド・リーゼンフォード(渡来者。カナデ・リーゼンフォードの彼氏)
カナデ・リーゼンフォード(祭典計画の発案者)
アリスタシア・ディリトリシア(ディリトリシア第一王女)
アビゲイル・ディリトリシア(ディリトリシアの第三王子)
ユン・リーゼンフォード
ライザ・リーゼンフォード(転生型渡来者)


二人のミーナは偶然出逢い、そしてそれを必然に変える
ミーナ(特殊渡来者)
ミーナ



用語一覧

来訪者:異世界トリッパー
通常渡来:通常のトリップ
偶発渡来:迷い込みトリップ
転生渡来:転生トリップ
特殊渡来:上記以外の特殊トリップ
空想上典型的来訪者:いわゆる
             『最強』
             『チート』
             『ハーレム・逆ハーレム』
             等の属性を持った、現実には存在しない来訪者を言う。
祭典:正式名称、『祭典計画』。
    空想上典型的来訪者が活躍する未来を、
    本当の意味で現実にしないために発足された。
生贄:『嫌な未来を実現させないために、祭り上げる生贄』
    つまりはリナを示す隠語。




タイトルのサンプル一覧

 以下はタイトルのサンプルになります。思いつかない! と言う場合は、投稿時にご一報くだされば、以下をそのままもしくは改変して使用してくださっても結構です。
 ただし、既に(改変済みであっても)使用されているタイトルは、言わずもがな使用できません。
 ここを見てもタイトルが浮かばない、と言う方は、作品投稿時にキーワードを三つ提示の上で、その旨を篠崎にご一報くだされば此方で付けてしまう事も可能です。
 タイトル付けに関しては、詳しくは投稿規程をご覧下さい。
 

Title一覧


不思議の国のお祭り事情は、この上もなく残酷でした (Prologueに使用)

小さな小さな生贄様に、歪な世界を差し上げる

神様彼女が慈しまれない、その理由は何なのでしょう

今日もまた、世界はかくも鮮やかです

拝啓神様、あなたの理不尽はゆるせませんがどうやら私は幸せなようです

無垢な幼子を腕に抱き、か弱い子供を殺す日々

僕らはいともしなやかに、君に最後の魔法をかけた

夢物語の臨終を、誰かがひそりと突きつけた



 

Q&A

過去世を思い出した時の実年齢が10歳よりも上の『転生渡来者』は存在しないのですか?

 はい、その通りです。十歳以降に記憶を思い出した転生渡来者は確認されておらず、今後も絶対に現れません。そう言う設定です。
 あえて理由をつけるならば、それが世界の意思であるからです。
 


身体を維持していない渡来とは、幽霊みたいなものですか

 大体そんな感じです
 例としては、前の世界で死亡→生まれないままに渡来、と言う霊体での渡来がこれに当てはまります。


『カナデ・リーゼンフォード』の項に書かれている『未来視の彼氏』って誰です? 未登場

 そう言う風に、わざと曖昧にしか書いていない人物や世界観の設定も有ります。
 これは『未来視の彼氏』を、投稿者様が早い者勝ちで捏造していいのよ……と言うことを暗に言っていたりげふんげふん。
 例といたしましては、この他にも投稿済みの小説に『荷物を拾って持ち主に手渡し、去っていった通りすがりの黒衣の男』とかが出てきたら、そのキャラをまた別の投稿者が補足して肉付けし、主役に据えたりしてもいいのです。


里奈の一人称を除いた性格(口調など)は篠崎さんが書くプロローグで大体決まるんですよね? そして他の人がそれに乗っかっていく、と

 はい、恐らくはそうなるでしょう。 おおむねその認識であっています。ただし、実際にはプロローグではリナは名前すら出てきませんでしたが、キャラクターの設定についてはそんな感じです。
 また、王子や当主などのキャラクターもそのように誰かが書いた順から口調などが決まっていきますので、本当に書いた者勝ちになります。
 ただし『このキャラはこんな感じで書きます!』と、事前に掲示板などで設定宣言しておけば小説自体が未完成でも、その設定は採用されます。



他世界とのクロスオーバーは可能ですか

 可能です。ただし、世界観を壊さないために、、『Aと言う来訪者はこう言う世界から来たといっている』『彼はこの世界に無い珍しい技術を持っている』との描写程度に制限させていただきますが。
 補足しますと、他世界では最強であっても、この世界でその力を行使できなければ『他世界では最強キャラ』もOKです。
 この世界で最強系チート系ハーレム・逆ハーレム系ではなければ、『元の世界では……』と言う設定でも大丈夫です。
 ただし、他作品からキャラを持ってくる、などの場合は、著作権利者の許可を取っていない場合は不可とさせていただきます。
 つまり、自分のほかの小説のキャラを引っ張ってきたりするのはいいということですね。ただし、基本的には『来訪者』は元の世界には帰れませんが。



基本的には元の世界に帰れない、ってことは例外はあるのですかね

 有ります。
 例えば、一度は受け入れられても世界に不利益をもたらしたため、他の世界に強制的に飛ばされる例などです

 ただ、この世界では、召喚召還は世界の管理する領分との認識ですので、召喚魔法などは全く発達していません。周囲の反対を振り切って研究しても、ほぼ成果が上がりません。
 なので、殆どが元の世界には帰れません。
 世界に拒否されて強制的に追い出されても、元の世界に返れる確率は限りなく低いです。
 ただし、自分で世界を渡る力を持っている場合は別です。頻度と回数こそ多くは出来ませんが、多少は勝手に行き来できます。



使える魔法の種類も決めちゃっていいのですか

 勿論です。と言うか、ぜひ決めてください。
 ただし、あまりに『一般的な威力や性能を逸脱した最強系』だと、世界の順調な発展を妨げるとして、世界の意思によって術者・考案者ごとはじかれて、別の世界に強制トリップしてしまうか、永遠にその術を使用できなくなりますが。



世界間の移動って、そんなに頻繁に可能なのですか?

 あまり多くは出来ませんが、頻繁には可能です。例えば世界A→世界B→五秒だけ滞在→世界A、も可能と言えば可能です。
 ただし、世界を移動する能力を持っている者でも、一生に2、3度移動できれば良い方です。
 どんなに運がよくて、能力があっても、5回以上の移動は不可能だと思ってください。


小説の形式は一人称と三人称、どちらか決まっていますか?

 いいえ、決まっておりません。
 規約に抵触限りはどのような小説を書いても自由ですので、当然小説の形式も問いません。
 補足するならば、規約に抵触しない限りは独白文でも日記形式でも史書形式でも問題ありません。
 ただし、舞台と設定を生かした台本形式の作品、と言うのは技量を問われるだろうと思われます。





掲示板への小説の投稿記事、設定の宣言記事の書き込みについて

 投稿の際は、必ず消去キーを設定の上、書き込む内容に間違いが無いかをよく確認してからの書き込みをお願いします。
 基本的に、掲示板に書き込む際は記事のタイトルの頭の部分に【設定宣言】【その他】のいずれかを打ち込んでください。
 これはどの種類のものか見分けるための物になっています。
 通常参加者の方が打ち込まない【連絡】は、篠崎から参加者の皆様への連絡にのみ使用します。基本的に企画の詳細な連絡はこちらの掲示板で行います。
 【設定宣言】は、企画で書き手の考えた設定の使用を、予め予約して宣言する場合のみに使用してください。風の噂の宣言も、この【設定宣言】での投稿をお願いします。設定の宣言に関しては、上記の『投稿する上での注意と規程』をお読みください。
 それ以外の種類の記事を書き込みたい場合は、【その他】の表記をお願いします。
 【その他】表記の記事では、参加者の方同士の雑談も相談も、公序良俗に反さない限りは自由です。
 ご自由にお使いください。
   



固定設定ではない、風の噂

 以下は固定設定ではありませんが、この世界観を補足するために記しておきます『風の噂』です。
 正しいかもしれませんし、そうではないかもしれません。
 『風の噂によって真実を知った』『AはBであると言う風の噂を追いかけてみたが、本当はAはCだった』など、使っても使わなくても嘘だとしてもいい噂程度の情報です。
 書き手の方が自由に扱ってくださってかまいません。
 ですが、『Aと言う風の噂は真実である』等の設定宣言がされた場合は、固定設定になります。
 また、投稿者様が『風の噂を作成』する事もできます。設定宣言と同じように、『Bと言う風の噂があります』と掲示板で宣言してもよいですし、作中で描写するのみでもかまいません。
 風の噂は、そう言う訳で時々増えたり減ったりするかもしれないです。


1.
来訪者の有志によって、様々な世界の小説や演劇、音楽が、この世界でも再現されているようです。勿論、完全に正確にと言うわけではないようですが……。

2.
上記の創作物の中には、一部の来訪者の人々が組んで発行した、ラノベとか薄い本とかアニソンとか呼ばれる作品も含まれているとかいないとか。

3.
企画立案者のカナデさん、どうやら『自分の発想の所為で大変な事に……』と気に病んでいるようです。

4.
リナの護衛であり、逆ハーレム要員でもある来訪者と現地人の混血の魔術師さん。どうやら仕事に早くも飽きてきているみたいです。

5.
▼ さばくのくに の とあるかた が まつり に きょうみをもったようだ!

6.
祭りを疎んじたりしている人も、やっぱり居るみたいですね。

7.
生贄のリナさんへの同情も多いですが、基本的には楽しければいいやという性格悪い人たちが大半な模様です。

8.
リナさんと元から知り合いだった来訪者が居るって聞いたんですけど

9.
やっぱり、帰りたくて仕方が無い来訪者の方も居ますよね。幼い子供を残してきてしまった、とか……。






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